畳の歴史は古事記に記述があることから1300年以上あると考えられます。
その頃の畳は今と異なり稲わらを編んで重ねただけの物だったようですが、時代と共に少しずつ形を変えて畳の厚みや縁の色や素材で使用する人の身分を表現するようになりました。
「有職畳」とは宮中の祭祀や儀式で使用される特殊な畳のことです。現代では神社だけでなく寺院で使われる拝敷などの道具畳も含めて「有職畳」と呼ばれています。
一般的な畳とは構造や材料や制作方法が異なり、機械を使わず全て手作業のため製作期間も長くかかります。
加藤 元靖 / 作品
施工実績
名 前:加藤 元靖
工芸品:有職畳
住 所:墨田区横網2-8-12
略 歴:昭和56年 東京墨田区本所生まれ
平成15年 大学を卒業と同時に祖父 小宮龍司と叔父 小宮太郎に師事し現在に至る
同 年 東京都畳高等職業訓練校に入学
平成18年 東京都畳高等職業訓練校を卒業
同 年 二級畳製作技能士検定に合格
平成21年 一級畳製作技能士検定に合格
平成26年 選定保存技術保存団体 文化財畳保存会研修生になる
平成28年 選定保存技術保存団体 文化財畳保存会準会員になる
☆仕事のこだわり:こだわりすぎないことがこだわりかもしれません。
お客様の思いや期待に寄せることが一番だと思っています。
昭和から平成にかけて新素材や様々な厚みの材料が生まれました。
令和になって生まれる新しいものにもしっかり対応したいです。
■少年時代
友達が多かったです。毎日のように誰かと若宮公園で缶蹴りをしたり児童館でドッジボールをしたり家でゲームをやったりしていました。
物を作るのも好きでプラモデルを組み立てたり、キャラクター消しゴムを切って接着剤でつけたり、小刀で鉛筆を削ったりしていました。母が裁縫やキルティングや編み物をするので一緒にやったりもしました。
私の勤める小宮畳店は母の実家で、家からさほど遠くないのでよく遊びに行きました。休みの日にはお店の前で兄や従弟と畳の端材でチャンバラをしたりしました。
祖父と叔父が平成2年の大嘗祭に使用される畳を作っていた当時、母に頼まれてお店に行くと警備をしていた警察官に身元と用件を聞かれ緊張したのを覚えています。
■職人になるきっかけ
幼いころ、畳屋の仕事場は嗅ぎ慣れない香りがして不思議な空間でした。小学生の時に休み中の課題で小さい畳を作らせてもらいました。興味があったし触りたかったのだと思います。
20歳の時に祖父に「大学を出たら畳屋にならないか?」と言われました。幼い頃から父も周りの大人も自営業の環境で育ったのでスーツを着てサラリーマンになるイメージが沸かず悩んでいた時でした。
大学卒業後の進路を本格的に考える前だったので転機だったと思います。
■職人になってから現在 最初の仕事は人形町の某飲食店の畳を店に持って帰る作業でした。二階から車へ畳を積み込む作業です。 |
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■職人哲学
畳屋は畳を作る仕事ですが、その前後には”和室の荷物やタンスを片づける””畳を運ぶ””片づけた荷物を元の位置に戻す”があります。
仕事の半分は物を動かすことです。その結果以前と同じ部屋になるのではなく、より良い部屋にしたいと思っています。
その為に材料の選別だけではなく畳の凹みを直す、隙間がなくなるように藁を足す、部屋のゆがみに合わせて寸法を改めるなどの手間は惜しまないようにしています。
畳を納めてお客様に喜んで貰えることが一番じゃないでしょうか。
■私の目標・夢
どんどん機械化が進んでいますが、有職畳は機械では作れません。あくまで畳制作の基本は手作業と心得ています。
「他人に出来ることは自分にも出来る」 畳訓練校の先生に言われた言葉です。
逆も然り。自分に出来ることは他人にも出来る。だから努力をするし勉強をするし挑戦をするのだと解釈しています。
基本を忘れずに新しいものにも対応できる職人になりたいと思います。
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■連絡先
氏 名:加藤 元靖
住 所:墨田区横網2-8-12
電 話:03-3622-6958
FAX:03-3626-1438
メール:hon3kato@gmail.com
URL:http://www.partire-sumida.jp/tatami/